
今では逆にレア。第3世代のiPodを修理してちょっと弄ってみました。
iPodの修理やカスタムはよく行っていますが、今回はiPodの中でも古めのモデル
第3世代のiPodのジャンク品を入手することができましたので修理してみようと思います。
iPod 3rd Gen
よく見るiPodとは違い、ホイールの上に4つの個別のボタンが備わっています。
上のボタンで再生や停止、曲送りを行うので下のホイールは決定と音量のみという簡単な構造。
充電不良のその理由
購入時に「充電する事ができなかったのでジャンク品です」という事で、実はこのモデルまで充電を行う時にはUSBではなくFireWireのDockケーブルを使用しないと充電されないという今では逆にキワモノな仕様。
当初さっぱりわからず、理解するまでしばらく苦戦しました。
別用でこれから弄ろうと思っていたDockコネクト型のスピーカーに挿したところ奇跡的に充電が始まったのでしばらく放置。結局バッテリーも経年劣化が激しく一瞬だけ通電してもすぐに落ちるのでバッテリーは新品に交換することに。
ZifではないHDD。これまた今ではキワモノ仕様
次の問題はHDD。通電直後からカキンカキンと悲しい音色が・・
5世代以降はzifという端子を使用したHDDで修理柄たくさん保有していますが、これはもっと前の規格で、東芝1.8インチ互換50pinというATAのような構造のHDDなので新品を探すことはほぼ不可能
という事で50pin→CFスロット変換→MicroSD-CFカード変換というアダプタだらけの方法で代用します。
せっかくなので64GBと128GBのMicroSDも用意しまして、おそらく最大値であろう128GBのiPod 3rdにします。
見事に128GBを認識しました。
バックライトと一緒に光るボタンがまた一段とかわいい・・・
故障か破損か。予想してなかった症状
無事初期化も終わり起動するようになったのでテストで音楽を入れてみるものの。なんか音が変。
鳴ってはいますが遠くでなってるような割れているような。または高音だけ鳴っているような。
なんとなく当たりっぽいコンデンサを見つけたので交換してみることに
右上らへんのコンデンサ部分を変更。もともとのが100uFだったのでカップリングコンデンサでしょうか
結果は正解だったようで、ちゃんと聴ける範囲の音になりました。
FireWireなんて面倒。USBで充電しよう
先ほどの通り、同期にはUSBで充電はFireWireと謎のこだわりを持っているので充電が非常に不便。
交換したバッテリーから普通にUSB給電でも充電できそうだったので、上のMicroSD化で少し余裕のできた中身に回路を1つ組み込みます。
MicroUSBからバッテリーを充電できる回路のMicroUSB端子を取っ払いましてバッテリーと合体。
Dockの5Vから拝借してこれでUSB接続でも充電されるように!
万が一壊れてもいいように古いバッテリーでチェック。動作良好
ただこれで充電しても充電中という表示にはならず、しばらくすると充電池の容量表示が増えているという非常に不親切な充電となる。
MicroSD化の弊害?で標準OSでは挙動が不安定に
音楽を再生してると不意にプツッと再起動したりフリーズしたり・・・非常に不安定な状態にorz
もしかして128GBなんて当時ありえない容量だからかと思い、急きょRockboxを導入してみました。
これはこれで問題があり、インストール後のコントラストが低すぎるのか液晶も劣化しているのか文字が見えず、うっすら表示される文字を直感だけでコントラストの項目まで進んで最大値にしたことで見事表示されました。
予想通りなのか、Rockboxでは途中でフリーズすることも再起動することもなく順調で、何よりflacなど再生できるファイルの種類が格段に増えたので扱いやすくなりました。
古すぎて逆に新しい。こだわりの見えるDAPに
これで正常に動作するようになったので適当に曲をかけると、今どきのDAPに比べて決していい音!という事ではありませんがこれはこれでありではないかという非常に柔らかい感じの音を出してくれました。
カップリングコンデンサっぽい部分の交換をしてしまっているのでエージング次第では結果が変わるかも知れませんが、この見た目はiPodユーザーからすると非常にこだわりとロマンを感じるDAPなのではないでしょうか。