
【ポタアン】ORB JADE to go 修理して試聴してみました
4月を目途に個人的に引っ越しの予定がありまして物件をあさりまくっております。
BOSSです。
さて今回はORBのスタイリッシュなポタアン「JADE to go」の修理依頼をいただきましたので早速修理してみようと思います!
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つい先日真空管ポタアンのパターン剥離を修理しましたが、今回も同じくパターン剥離の修理となります。
すんなり分解できる構造ではない様子
ご相談いただいたときより開腹できる状態でしたので早速分解します。
ヘッドホンマークのあるパネルは外れていましたが痕を見る限りノリでくっ付いている感じです。
傷つきやすそうで割れやすそうなパネルなので分解をしたいと思っている方はお気を付けください。
そのパネルの下にネジが1本ありますので外します。
1番下のオペアンプの通りすべてベタ着けされているタイプのようで、3個ほど下駄を履かせている状態でした。
尚オペアンプは4個ともJRCのNJM4580DDでした。
オペアンプを取り外すのは難しい
表面は数か所のパターン剥離を確認しましたが、裏面の方がなかなか深刻な状態でした。
これだとわかりにくいので剥離、欠損、切断されている場所に赤い印を付けました。
ギリギリ生き残っているパターンもありますがオペアンプ交換の際のストレスには耐えられそうにもないので一緒に修理します。
銅板を使用して新しいパターンを作り直し&残ってるオペアンプの取り外し
パターン剥離はこれで完成です。
さてオペアンプの取り外しですが、結構挑んで失敗している方もいるようなので私の外し方をご紹介します。
1.8本足にハンダを盛りまくります。
惜しげもなく盛ります。
ハンダごての温度は大体400℃でササッと作業しておりますが、時間がかかりそうな人はもっと低い温度の方が良いと思います。
2.部品を固定する台にオペアンプを挟みます。
分かりやすいように横に向けておりますが、オペアンプが下向きになるような状態で挟みます。
片手で温めながら外すというとどうしても難しいので、予算に余裕がある人は2個1のハンダごてを使用する方法もあります。
これはこれで慣れが必要なので今回は1本のまま使用します。
3.基板をちょっと持ち上げながら先ほどハンダを持った箇所を交互に温めでいきます。
持ち上げすぎると台座が浮いてしまったり、挟んでいる部分が外れてしまうので絶妙な力加減で持ち上げながら温めます。
スポンと気持ちよく外れるという感じでなく、全個所を交互に温めながら持ち上げ続けると「キン・・・キン」という感覚でちょっとずつ持ち上がるような感覚です。
途中まで持ち上がってくると盛ったハンダが足りなくなることもあるのでその時は追いハンダをしてください。
かなり熱を与えながら外すことになるので取り外したオペアンプは生きていたらラッキーくらいの感じでいた方が幸せになれます。
無事取り外せましたら残ってるハンダを綺麗に取り除いて完成です。
修理&交換完了
パターン剥離の修理とラスト1個のオペアンプも下駄に交換しましたので作業としてはこれで完了となります。
このポタアンは裏面だけではなく表面からもパターンが出ているので直接線を引いたり新しく作り直す必要がありました。
結構シンプルなつくりですがこのポタアンの効果や如何に・・・っ!
TL-T51のラインアウトと接続して試聴してみます。
正常に動作している事を確認してからいざ試聴開始。
ポップノイズが個人的にはかなり耳に来ますが、いざなり始めますとなかなか素敵な味付けをしてくれているのではないでしょうか。
ドンシャリ気味の傾向なので好き嫌いはくっきり分かれそうですが、低音をガッツリ持ち上げてくれますので低音過多のサウンドが好きな人にはオススメできそうな感じです。
低音の押しの強さは圧倒的ながらも解像度は高めで、埋もれてしまいそうな高音域もちゃんと聴こえてくるので普通のリスニングも問題なさそうです。
問題があるとすればゲインが高すぎるのでER-4Sなどインピーダンスの高いイヤホンでもないとボリューム調整という調整がほとんどできず、若干ホワイトノイズも感じる部分。
後は近くにスマホを置いておくと何か干渉を受けるのか通信中にノイズを拾います。
オペアンプの交換も可能となりましたのでちょっと交換してチェックしてみましたが、JRCですとNJM2114や他ですとOPA2134PAあたりが好きな音でした。
MUSES系は駆動こそしましたがMUSES特有のあのブリブリとパンチのある低音が元々の持ち味と相まって聴き疲れするほどの低音域だったので今回は見送りました。
オペアンプ x 4 という下駄化するには手間も緊張感もハンパないポタアンですが改造を狙っている方は是非ご参考にしてください☆
<文 : BOSS>
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