
【MicroUSB化】懲りずにTL-T51を改造してみました。
弊社のスタッフの半分は喫煙者なのですが、今まではその中で私以外1人も火をつけるタバコを吸っておらず、電子タバコやiQosを使用しているので喫煙OKな会社ながら肩身の狭い思いをしておりました。
今は私も電子タバコで割と満足できるようになりました。
BOSSです
さて、前回や前々回とずっと弄繰り回しているTelecastの「TL-T51」ですが、懲りずにまた手に入れたので今度は破壊覚悟で弄ってみようと思います。
1.カスタムFWを導入
標準FWや同系機のS:Flo2の最新バージョンは2.3ですが、今では公式サイトからもダウンロードすることができず探すの一苦労します。
S:Flo2はともかくTL-T51のFWのホーム画面はなんというか・・・こう
無駄に洗礼された無駄のない無駄なデザイン
今回は海外フォーラムhead-fiで過去に見た目を変更してあるTL-T51用のカスタムFWと、合わせてS:Flo2のFWを紹介している方がいらっしゃったので相談したところ、頂くことができたので書き換えてみます。
カスタムFWとはいっても見た目などが変わるだけのもので操作性の悪さは健在です。
TL-T51 B&B FW(Base 2.3)
ホーム画面
元の再生画面が
こう。
B&BというのはBlack & Blueだそうですが、非常にシックにまとまっていて見た目も良いので愛着度が格段に上がりました。
しかしこのFWですが、書き換えにWindows XPを必要とするため今更XPが起動するものを探すところから始めていたので、その点を含めるとレベルの高い作業になります。
もし現在も動いているTL-T51やS:Flo2をお持ちの方でFWを探している方がいれば気軽にご一報ください☆
2.コンデンサの変更などなど
前回行った4極対応とコンデンサをECHUに変更するのはそのまま行いまして、先ほどのhead-fiにも投稿のあった部品の交換をします。
クリックで大きい画像になります。
緑色の枠 → 取り外してしまいます。
赤色の枠 → 0.1uFに交換します。
1番右上の大きい赤枠 → 同容量(1uF)のコンデンサに交換します。
赤枠の部分は計ってみるとサイズも容量もバラバラなのですが、まとめて0.1uで良いという事で交換してみました。
1番右上の赤枠はチャージポンプ用のコンデンサですが、元々質の悪いコンデンサだったり経年劣化もありと実測値は0.6uF前後だったのでWIMAの1uFに交換しました。
低音割れや全体的にうるさい聴こえ方になる場合にはまずここを交換するか、チャージポンプそのものを交換するといいそうです。
ついでにオペアンプをOPA2211とLT1364CS8#PBFに交換しております。
結果としてはオペアンプが上位になったことで解像度が増し、1段上の音質に変化したという感じがしました。
未着手の状態では低温は少し乱暴気味で曲によっては割れていた部分も芯のある音に変化し、今時のDAPにも引けを取らないのではないでしょうか。
3.NANDを付け替えてみる
TL-T51は後期ロッドになるほど質が悪くなるという感じのようで、確かに私が購入したのは初期型で基板のバージョンは1.0の刻印あり、弊社かえる氏のは2.0でした。
大きな変化はないもののNANDは8GB1枚の物で1パターン空きのものからVer2.0では4GBが2枚に変更され、S:Flo2に至っては8GBが2枚になって容量が増えているという感じでした。
ではそのまますんなりNANDを交換したら容量が増えるのか?
使用されているNANDはTSOP48という規格のもので、今では1枚32GBのNANDも1,000円前後でした。
電圧からピンアサインに至るまで全く一緒だったのでそのまま交換してみました。
下が取り外したNANDで上の2枚が32GB x 2です。
ハンダごてで外すことも可能かと思われますが、すぐ近くにとても小さい抵抗などがあったので今回はヒートガンを使用しました。
近くの部品が熱でダメになったり風で吹き飛んでいかないようにマスキングをしてから行います。
非常に残念な結果。ただ動作が気持ち早くなる
取り付けも無事終わりFWを書き直してみましたが結果としては8GB弱の空き容量で、そのまま容量が増えるという事ではないようです。
当然といえば当然なのですが、S:Flo2のFWを書き込むと16GB以上で認識するかといえばそういうわけでもありませんでした。
FW上で既にシステム領域とデータ領域のサイズ指定を行っているのか、実はどこかの部品やスイッチで容量を指定する部分があるのかは不明ですが、すんなり交換してハイ大容量!というわけにはいきませんでした。
ただNANDが新しくなったおかげかいつも通りのもっさりした挙動からは一転して各アプリ?の起動などはキビキビしたような感じがします。
いずれFWの中身でも覗けたらその部分があるのか検証してみようと思います。
4.MiniBタイプのUSBをMicroUSBに変換する
このDAPの難点というか発売された時期が時期なので仕方ありませんが、充電やデータ転送に使うUSBの規格がMiniBのUSBで今では化石に近い規格というのがあります。
Wikipediaより拝借
MiniBとMicroUSBは大きさこそ違うもののピンアサインは一緒なのでこの際交換しまして、このためだけの充電ケーブルを用意しなくて済むようにしてみます。
芸がありませんが取り外しやすいようにハンダを盛りまして、またまたヒートガンで取り外しました。
MiniBの半分近い厚みと長さとなってしまうので、引っ込み過ぎず飛び出さず、ちゃんと固定もできる部分を探しつつ新しいジャックを固定しました。
MicroUSBのケーブルでも無事PCで認識して、充電も可能になりました。
ただ本体に入れたMicroSDカードをこのDAP経由で曲を転送することは全くなく、取り外してカードリーダー等で直接転送したほうが数倍速いので主に充電用という事になりますね・・・
MicroSDといえば当時は存在していなかった128GBも認識しますが、FAT32でフォーマットして使用することをお勧めします。
下手にポタアン挟むより良い!常用できるDAPの1つに
ひとしきり弄りまして無事エージングも終わったので稼働させていますが、本体に直で使用しても十分満足のできるDAPになったのではないでしょうか。
試しにDENONのDA-10を挟んで弊社かえると聴き比べてみましたが2人とも「直の方が良い」という結果に。
もちろん感想に個人差はありますが、今ではほとんど出回ることのない古いDAPをあえて今使い倒すというのもなかなかロマンのある音楽道ではないでしょうか。
<文 : BOSS>